くまごろうです。各試験区分にはそれぞれ特徴があります。
どのような経験を持っていれば受かりやすいのか。そして試験を攻略するためのキーポイントを解説します。

あたなとにっとて最も合格しやすい試験区分をみつけよう!
この記事では記述系の
- 情報処理安全確保支援士試験(SC)
- データベーススペシャリスト試験(DB)
- ネットワークスペシャリスト試験(NW)
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
について、
- IPAが定義する人物像
- おすすめな人
- 攻略するためのキーポイント
をそれぞれ解説します。
なお、以下の参考書が各記述試験を俯瞰して確認できるのでお勧めです。ぜひ参考にしてください。
情報処理安全確保支援士試験(SC)
高度区分の中で入門に位置づけられがちな資格です。この試験区分から高度試験を始める方も多いのではないでしょうか。
情報処理安全確保支援士試験は、ネットワークスペシャリスト試験、システム監査技術者試験など、ほかの高度区分の受験が有利になるお得な試験です。仮に経験が無かったとしても、挑戦する価値があります。
IPAが定義する人物像
IPAが情報処理安全確保支援士に求める人物像は以下のようになっています。
サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し、また、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、その結果に基づき必要な指導・助言を行う者
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験
おすすめな人
有利な業務経験
セキュリティ関連の商材を扱っている方や、ネットワークエンジニアなどにおすすめです。
システム開発をメインでやっている方は、インターネット経由のシステム開発を行っている方には有利です。具体的にはWeb系の開発ですね。
逆に社内システムメインの開発を行っている方は、普段セキュリティに関する問題にかかわらないため、不利になります。ほかに受かりやすい試験がある場合は、そちらを優先したほうが良いです。
お客様と打ち合わせを行う上流工程を担当される方、特にプロジェクトマネージャやITストラテジスト、システム監査技術者については、仮に苦手意識を持っていても必須となる知識です。直接セキュリティに関わるシステムの導入を行わなくても、雑談レベルで話題になります。その場合に不適切な話をしてしまうと、信用を失ってしまうかもしれません。持っておいて損はないでしょう。
資格関連
ネットワークスペシャリスト試験を受験したことのある方は、かなり有利に試験を進められます。理由としては、セキュリティの脅威はネットワークを経由してやってくるため、関連性が高いからです。
セキュリティ対策を考える場合、暗号化する、FWで侵入を防ぐ、プロキシーサーバを立てるなどなど様々な対策が考えられますが、それらの対策は基本的にはネットワークで行うものです。
イメージとしてはセキュリティ全般を情報処理安全確保支援士が、そのうちネットワークに関連するセキュリティ対策をネットワークスペシャリスト試験で出題されている感じです。
春にネットワークスペシャリスト試験を受験している方で、秋に受ける試験がない方には特におすすめです。
攻略するためのキーポイント
様々な脅威への知識や情報セキュリティマネジメントなど、セキュリティに関連する知識に加えてネットワークの知識が必要です。
ただしネットワークの知識は、ネットワークスペシャリスト試験などで問われる「パケットの動きを理解する」といったネットワークの根源的な知識ではなく、どういったネットワーク機器があって、その機器をどのように活用すればいいか、どのように設定すればいいかといった知識になります。
データベーススペシャリスト試験(DB)
データベースの管理・運用を行っている方に有利な試験です。スペシャリスト系の試験は、経験があればとても有利になりますが、経験が無ければ攻略の難しい試験区分になります。
IPAが定義する人物像
IPAがデータベーススペシャリストに求める人物像は以下のようになっています。
高度IT人材として確立した専門分野をもち、データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験
おすすめな人
有利な業務経験
日常的に業務でデータベースを扱っているエンジニアにおすすめです。
試験の範囲はデータベースを利用した開発ではなく、データベースの運用管理者向けの資格です。よってSQLなど開発現場で求められるものだけでなく、以下のような知識が求められます。
- データベース設計
- データベースの運用管理
プログラマーは設計されたデータベースを利用して開発を行うという側面が強いので、より上流工程の概要や詳細設計を行うシステムエンジニアの方が取り組みやすいと思います。
データベースを扱わない方にはあまりお勧めできません。他の区分を受験されることをお勧めします。
資格関連
Oracle Master Blonzeでもよいので取得していると試験に取り組みやすくなります。
もし取得していなければ、データベーススペシャリスト試験の受験前に取得してもよいかもしれません。受験料は4万円を超えるためコスパはよくありませんが、ITILとかに比べればましかもしれません。
攻略するためのキーポイント
ほかの記述系試験と比べてとんがったキーポイントはないので、丁寧に問題文を読んでパズル感覚で解いていけば合格できます。
ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークエンジニアに有利な試験です。スペシャリスト系の試験は、経験があればとても有利になりますが、経験が無ければ攻略の難しい試験区分になります。
IPAが定義する人物像
IPAがネットワークスペシャリスト試験に求める人物像は以下のようになっています。
高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験
おすすめな人
有利な業務経験
日常的にネットワーク関連の業務に従事しているエンジニアにおすすめです。
また情報処理安全確保支援士に合格している方も、部分的にではありますがネットワークの基礎知識を身につけられていると思うので有利です。
ネットワークに関連した業務を行われていない方にはお勧めできません。他の区分の受験を検討しましょう。
資格関連
情報処理安全確保支援士試験、あるいはCiscoのCCNAなどの資格を持たれていると有利です。
攻略するためのキーポイント
ネットワークスペシャリスト試験は、いかにパケットの流れを理解できるかが鍵になります。
どのようなネットワーク機器でも、基本的にはIPアドレスとMACアドレスの書き換えで動いています。これを理解してパケットの流れを追うことができるかどうかが、攻略の鍵になります。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
組み込みシステムのエンジニアに有利な試験です。スペシャリスト系の試験は、経験があればとても有利になりますが、経験が無ければ攻略の難しい試験区分になります。
IPAが定義する人物像
IPAがエンベデッドシステムスペシャリスト試験に求める人物像は以下のようになっています。
高度IT人材として確立した専門分野をもち、IoTを含む組込みシステムの開発に関係する広い知識や技能を活用し、最適な組込みシステム開発基盤の構築や組込みシステムの設計・構築・製造を主導的に行う者
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験
おすすめな人
有利な業務経験
日常的に組込みシステムの開発に従事している方にお勧めです。
ただしエンベデッドシステムスペシャリスト試験では、ハードウェア系とソフトウェア系の2つのシステムを想定しています。
ソフトウェア系では、POSや自動精算機といったシステムも対象としています。これらのシステムが組み込みシステムに分類されていると知らずに開発に従事している方も多いのではないでしょうか。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験は計算問題がたくさん出てきます。例えば消費電力の計算、動作時間の計算などです。また接続されている各機器の同期をとるために、イベントフラグなどを用いた状態遷移が問われます。これらに苦手な方はお勧めできません。
資格関連
ETECやOCRESといった資格があるようですが、くまごろうが詳しくないので評価できていません。
攻略するためのキーポイント
エンベデッドシステムスペシャリスト試験は計算問題やイベントフラグやセマフォなどの同期処理が鍵となります。これらを正確に理解して回答できることが重要です。
またソフトウェア系とハードウェア系で問題が分かれており、例えばソフトウェア系に特化すると問題選択の余地がなくなります。両方の問題を解けるようにすることも、攻略のためのキーポイントになるかもしれません。
今日の解説はここまでです。
また次回お会いしましょう。それでは!!
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